阿佐谷地域区民センター協議会 
阿佐ヶ谷

地域の小・中学校の今 その2 杉並区立 杉並第九小学校 ~創立80周年~

今回は、今年創立80周年を迎える杉並第九小学校を訪ね、この4月に着任された清水明校長先生にお話を伺いました。

杉九小は、昭和10年4月1日に杉並第五尋常小学校の分教場(児童数286名・5学級)として開設しましたが、児童数の急激な増加に伴い、同年12月23日に杉並第九小学校と校名が変わりました。昭和27年には、在籍児童数がピークの1800名になりましたが、同年、馬橋小学校が建設され、学区域が変更になり、児童と先生の一部が馬橋小学校に移動しました。現在の在籍児童数は少子化の影響もあり、361名となっています。

創立80周年記念イベントとしては、6月5日(金)に開校記念児童集会を、また、10月24日(土)に開校記念式典ならびに祝賀会を開催し、創立80周年記念誌”すぎく”を編集・発行する予定とのことです。

最近の学校は、地域の方々などで構成する学校支援本部が主体となって、PTAと協力しながら、課外活動やサークル活動など、上手に運営されているとのこと。

杉九小は、平成23年度学校給食文部科学大臣表彰を受けています。PTAの方からは、栄養士の先生が工夫を凝らした給食が、育ち盛りの子ども達に大好評だという声が上がっています。

取材中に休み時間となり、大勢の児童達が先生方に見守られながら元気に校庭を走り回っていました。兄弟姉妹が揃って通っている子ども達もいるせいか、学年を超えたグループで遊びまわっており、他の学校の先生からは、杉九小は昭和時代の学校のようだと言われているとのこと、OBである取材担当の目にも懐かしく映りました。

「学校教育のプロである教員は、教育方針すなわち学校が今やっていることを、保護者会、ホームページ、学校便りなどを通して広く情報発信し、地域と人々の理解を得るよう努力する。一方、学校教育を越える家庭教育に類することに関しては、家庭教育のプロである保護者の方々にお願いする。学校と家庭が相互理解を深め協力して、それぞれの役割を果たしながら子どもたちに接することにより、子どもが良い方向に育つ。」というのが民間企業出身の校長先生の持論です。

現状は児童の安全確保のために校門が施錠されていて、言わば閉鎖的な環境にありますが、校長先生が描かれている理想の学校像は、緑に囲まれた校庭にベンチがあり、地域のお年寄りが気軽に立ち寄って、休み時間に子ども達と談笑しているような学校とのこと。学校と地域の人々が互いの顔が見え、地域の人々が”おらが学校”を意識できるような関係になってほしいと、熱く語っておられました。

(平成27年7月1日発行の第270号に掲載)


創立式典の模様(昭和11年)

現在の校舎